沖縄県政の刷新を求める会

県警検問控訴断念慰謝料返還訴訟

監査請求監査請求

監査請求

沖縄県監査委員殿

 

平成30年3月22日

沖縄県職員措置請求書

第1 請求の要旨
 沖縄県知事の翁長雄志氏は沖縄県に対し、賠償金319,849円(沖縄県警による道路検問の行為を違法だとした平成28年〈ワ〉第893号事件にて、那覇地方裁判所の平成30年1月16日付判決につき、控訴を断念した違法によって沖縄県が被ることになった支払金319,849円に係る損害)を支払え。

第2 請求の理由
  1. 事実の経過
    • (1) 紛争の発生
       平成28年11月3日、沖縄県東村高江付近の道路上において検問中の沖縄県警の警察官2人が、折から同所を運転して通行しようとした人物に対する職務質問を実施してこれを検問した。
       ところが、検問を受けたのは反基地活動家の支援者である三宅俊司弁護士であった。

    • (2) 提訴
       平成28年11月3日、沖縄県警は、東村で、道路検問を実施し、高江方面に通行する車両を止め、検問していたところ、三宅弁護士が通行し、名前、住所、目的等を問い、テロリストではないか違法行為を行うのではないかを問われたが、同弁護士が原告となり、過剰警備として県を提訴。

    • (3) 一審判決
       当該、平成28年(ワ)第893号事件を審理した那覇地方裁判所の森健裁判長は、沖縄県警が実施した検問を違法だとし、被告の沖縄県に対し、原告の三宅俊司弁護士に対し、損害賠償金319,849円の支払いを命じる判決を下した。

    • (4) 控訴断念
       沖縄県警は、自らの権限で関係法令に則り行っており、判決を不当だとして控訴を求める意向を示したが、翁長知事は「原告の行言動や服装からは、犯罪行為の及ぶ具体的な蓋然性が有ったと認めることはできない」との判決を「1審判決は重く受け止めるべき」「基地の過重な負担に対する県民の根強い不満があることなど、県民の思いも踏まえる必要がある。県警からは控訴したいとの考えが示されていたが、総合的に勘案した」として控訴を断念し、その結果、一審判決は確定し、沖縄県(沖縄県警察本部)は同判決に基づき、本年2月28日金319,849円を原告に対して支払った。

  2. 控訴断念
    • (1) 控訴を含む訴訟遂行の行為は裁量行為であるが、裁量の範囲を逸脱した場合は職権の乱用であって違法となりうる。

    • (2) 検問での職務質問は、警察権の行使であり、その要否や程度は専門性を伴う。現場の警察官による警察権行使の当否については、特段の事情がない限り、専門家集団の意見を尊重すべきである。

    • (3) 沖縄県警の一審判決は不当であって控訴すべきであるという意見を退けて控訴せず、これによって確定した一審判決に従って、損害賠償金319,849円を支払ったことは知事に委ねられた裁量の範囲を逸脱するものであって違法である。

  3. 損害
     沖縄県は県知事の職権乱用による控訴断念によって確定した一審判決が命じた損害賠償金319,849円を支払ったが、正当に控訴しておれば一審判決が覆り、沖縄県が勝訴する高度の蓋然性が認められる。

  4. 結論
     翁長雄志知事の違法な控訴断念によって沖縄県は319,849円の損害を被ったものである。故に沖縄県は、翁長雄志知事から同額の賠償を求めるべきである。

上記のとおり地方自治法第242条第1項の規定により別紙事実証明書を添え必要な措置を請求します。



監査請求結果監査請求結果

監査請求結果

平成30年4月17日

沖縄県職員措置請求書について(通知)

平成30年3月22日付けの沖縄県職員措置請求(以下「本件請求」という。)については、下記理由により却下します。

 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条第1項に定める住民 監査請求は、普通地方公共団体の執行機関又は職員による違法若しくは不当な公金の支出、契約の締結等の財務会計上の行為によって、当該普通地方公共団体に損害を与え、又は与えるおそれがある場合に、その事実を証する書面を添えて、監査委員に対し、監査を求め、当該財務会計上の行為を防止又は是正するために必要な措置を講ずべきことを求める制度であることから、住民監査請求においては、特定の財務会計上の行為についての客観的かつ具体的な違法性又は不当性が示されることが要件となる。

 本件請求において請求人は、沖縄県知事翁長雄志が沖縄県警の意見を退けて控訴せず、これによって確定した一審判決に従って、損害賠償金319,849円を支払ったことは知事に委ねられた裁量の範囲を逸脱するもので違法であると主張し、沖縄県は翁長雄志知事に対して損害賠償を求めるよう請求している。

 請求人は、那覇地方裁判所が被告沖縄県に対し、原告に損害賠償金の支払いを命じた 一審判決について、知事が控訴せず一審判決が確定することを新聞記事により知り、平成30年3月12日付けで被告沖縄県が原告に支払った損害賠償金について公文書の開示を求め、同年3月16日付け沖会第1270号で開示を受けた。これらを踏まえて、請求人は、知事が県警の意見を退けて控訴せず、これによって確定した一審判決に従って、損害賠償金319,849円を支払ったことは知事に委ねられた裁量の範囲を逸脱するもので違法であると主張している。
 知事が訴訟遂行するにあたっては、県議会の議決を得る必要があり、議会への提案は法第149条第1号により知事の権限とされている。訴訟遂行の判断はいわゆる行政行為には当たらないとされており、裁量とは行政行為を判断するにあたって論じられるものであることから、裁量の範囲を逸脱しているとの請求人の主張は認められない。
 また、知事が控訴をしなかったことによって確定した一審判決に基づき、沖縄県が損害賠償金を支出したことについて、財務会計法規上の義務違反は認められない。

 よって、本件請求は、法第242条第 1項の受理要件を具備しているとは認められない。

 したがって、本件請求は、法第242条第1項に定める要件を欠く不適法な請求として却下することを相当と判断した。


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